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    更新日 2010-06-28 | 作成日 2008-01-24

    2008- JNCC R4- エルニド本栖 " 大会 ALL "

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    R4 - エルニド本栖 大会レポート  by 星野正美

    Prelude

     ( 臨場感を重視したい為あえて丁寧語は使っていません、ご理解下さい。また今回は小池田選手にインタビューをしたので、彼を軸とした変則レポートになりました。イシゲ ごめん! *全画像クリックで拡大します。 )

     日本エンデューロの創生より、数々の名勝負の舞台として30年にわたりエンデューロ界の発展を支えてきた本栖。その最後のステージを自らの走りで飾るべく全国各地から集まったライダーは300台、これはAAGPを抜き JNCC史上最多といえるエントリー台数になった。そしてこのビッグイベントに華を添えたのが今回より JNCCの顔に加わった「Jバザー」だ。これは今まで出展料を徴収していたブース出店を、ライダーと観客により多くのメリットを与えたいという主旨の下 無料開放したもので、KTM・BMW・DFK・EK 等 なんと14ブースも出店され、大いに大会を盛上げた。この「Jバザー」はエンデューロに関連があるものなら職種や規模は問わないので、これからもどんどん参加していただきたい。
    8eln_Wtrc.jpg☆ 全画像 クリックで拡大!

    FUN-GP

      第一レースのFUNGPでは最近めっきりスピードをつけ序盤からレースをリードした 福尾正樹が、今度こそBクラスを制するだろうと思われたが、大詰めの最終ラップで大転倒、入賞さえ逃がしてしまう。優勝はライバルの 大石紀伸で、他にもこれだけの強豪が揃う中 3周目に周最速ラップを奪った 鴨志田圭一の成長には目を見張った。 そして FUNGPを制覇したのはSAクラスの 斉藤敬。クロスオーバー賞典ではオーバー50に該当する斉藤は、何と89年XLR250を駆っての大称賛されるべき勝利で、よく言われる「オフはバイクじゃなく腕だよ!」という格言を、見事に具現化して魅せた! この FUNGP- AAとも言える SAクラスは本当に強者揃いで、出場者4人が4人ともそれぞれに周最速ラップを叩きだしているというスリリングなレースを展開した。4〜8周まで素晴らしい走りでレースをリードした 神馬健はマシントラブルか? 9周目に5分もロスしてしまい優勝争いから消えていった。

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    COMP-GP

     おそらく300台のこのレースで最多転倒記録を作ったのは小池田だろう。トップで跳び出した小池田は破格のスピードを持って2位澤木をブッチギリ、大会最速ラップ(10分10秒)を叩きながら初体験の本栖を苦もなくこなしてきたように見えたが、2周目早くも周回遅れの出始めた、JNCCでは初めてのセクションとなった最奥部のガレ場で初転倒すると、もうこの渋滞セクションでは毎周と言っていいほど転倒を重ねていった。 確かに走っている時の小池田はワールドレベルだが、本栖の超テクニカルなガレの渋滞を攻略する術は無かったらしい。それに比べ、優勝したイシゲのこのセクションでのライディングは目を見張るものがあり、ライン取り、パッシングテクニック、ライディングの全てを高次元でまとめ、結果的に転倒もなく大きなアドバンテージを稼いでいった。

     2周目、転倒した小池田はかろうじてトップで戻ってきたが、その背後には 澤木・イシゲ・石井 が肉薄した。3周目には好調イシゲが小池田を鼻の差で押さえトップをもぎ取ると、2人はヒートアップし 澤木・石井を離していった。

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     5周目トップはイシゲ。速さと安定感のある走りで周回を重ね、この時点で小池田におよそ1分、3位の澤木には2分以上の差をつけている。今季絶好調のイシゲは機会がある度に「好調は今季からチューニングをサポートしてもらっているサスペンションのおかげ!」と言っているが、確かにガレ場でのイシゲのバイクはスムースで、リヤサスの跳ねが少ないのが誰にでも見て取れた。そこへいくとMX本番車をそのまま持込んだ小池田のマシンはガレ場とのマッチングが悪く、今後の大きな課題となるだろう。

     魔の本栖の餌食にもなった感のある小池田は、度重なる転倒により 6周目には 澤木・石井 にも交わされ 4位に落ちて行き、8周目にはトップのイシゲに5分の差をつけられてしまう。チームは小池田の異変に困惑するが為す術はなく、手首にギブスを捲いての小池田には悲壮感が漂い、正にこの時点ではいつリタイアしてもおかしくない状況だった。

     しかし優勝を使命とされるプロライダーの小池田にとってこのままレースを放り投げることは出来るわけはなく、もしそのような屈辱的な終り方をすれば今後エンデューロにおいてプライドを抱いていくことは出来なくなったはずだ。しかしこの頃は特に多くの転倒を繰返しての再スタートキック、またガレ場渋滞での立ちゴケやバランスを失うことによるリカバリーのため小池田の体はツリまくり、ライディング中でさえツッた体との戦いだった。それでも何とか乗越えられたのは、ここで終れないという気持ちとファンからの暖かい声援があったからだという。(本人からの後日談)

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     辛抱の甲斐があったか? 相変わらず転倒を繰り返すものの、中盤に来てやっといくらか落着いてきた兆しが見えてきた小池田に幸運が訪れた。2時間経過頃、あまりにも酷い渋滞により問題のガレ場がカットされたのだ。翻弄された本栖のガレ場に慣れ、また渋滞が無くなったことで小池田はこれで甦り、11周目には 5周目からイシゲ等に奪われてきた周最速ラップを圧倒的なスピードで奪い返し、11・12、そして14・15周 と 4周最速ラップを叩出し、何と「ラスト1周の公式サイン」が出された15周目にはあれほどあったイシゲとの差まで引っ繰返し一気にトップに立ったのだ!

     もうこうなると会場は大興奮に包まれ小池田ピットはもうお祭り騒ぎ、、、、、だったのだが、しかしここから思いもよらぬ展開が始まろうとは誰も予想が出来なかったに違いない。(以下小池田の後日談から)ピットはパスしたイシゲとの差を「+7秒」と知らせたが、何と小池田はそれをトップまで7秒と解釈し、必勝を果たすべく更にスピードを上げ、いるはずの無いトップを全開で追いかけてしまった。小池田自身この時点でイシゲをパスしていることは知っていたが、中盤迷走している時に "ズバン" と抜かれた石井の印象が強く残っていて、すっかり石井がトップを走っていると思いこんでしまったとのこと。

     ボロボロになった体に鞭打ち、全力をふりしぼり走っても見えない石井。しかし優勝しか己の存在価値がないと逆転を念じ焦りながらもひた走る小池田。  、、、、そして絵に描いたような大転倒! あまりにもスピードが出ていたもので大きくコースアウトし立木に激突、後続のライダーからは小池田の姿は見えない。

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     こうして2位走行のイシゲがトップに立ち、優勝のチェッカーを受けても自身を2位と思っていたゴールだったが、だからと言ってイシゲの優勝が色褪せたものではけっしてない。イシゲはこの大舞台のエルニドで 石井・澤木を下すと公言し、それを有言実行したどころか、運気さえも引寄せてあの小池田を下し優勝を果たしたのだ。その証拠に今回もまた絶対尺度として君臨した3位 石井を、なんと2分43秒も離しての大勝利だったわけである。07- JELでは まちゃがゴールまで石井と競り、07- NBLでは澤木が僅差で石井を交わし、08- JELではヤスオミが最後まで石井と競り勝利を収めたが、石井にこういう大差をつけての勝利は今まで小池田と鈴木健二以外には無かったこと。そういった意味ではワールドクラスの2人を除き、イシゲは初めて石井の呪縛を破った新時代を担うエンデューロライダーと言えるだろう。日本エンデューロ史に残るであろうこの本栖30年のエルニド ザ・ファイナルは、小池田ではなくイシゲの優勝により、より多くのエンデューロファンの脳裏に刻まれたに違いない。

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     トップ3を除いては、今回も澤木が安定した実力を発揮し気を吐いた。最後の最後で石井に交わされたのは展開からいって仕方がないだろうし、ライバル視されるまちゃとは順位では僅差となったが、内容では圧倒した。互いにまだまだ石井と比較するとムラがあり取りこぼしが多いが、それでもここにきていくらか澤木の充実が目立つようだ。これは勿論 澤木の精進が一番の要因だが、GASGASチームの監督を兼任するような石井の存在もかなり大きいだろう。日本のエンデューロもここまで成長してくればチーム監督が果たす役割はかなり重要となり、それは今季USA-GNCCでのSUZUKIチーム大飛躍の影に、偉大なるエンデューロライダーとして一世を風靡したRODNYスミスの監督抜擢があったように、世界では常識である。そして今、日本で理想の監督を務められるのはレジェンドとして第一線で日本エンデューロの歴史を創ってきた 石井正美 唯一人であり、澤木はその恩恵を受けている幸せなライダーということになる。

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     他にもこのエルニド ザ・ファイナルでは本栖に特別の思い入れがあるライダーの活躍が目立ち、#10- 鈴木昭弘が覇気あるライディングで 6位と存在感を示せば、盟友の #14- 吉沢康弘は なんとあのヨッシーをラスト2周で交わしKTMトップの 7位入賞を果たした。またここ本栖育ちの #17- 渡辺健介が 9位入賞を果たせば、#30- 古箭亨は並居るライバルを押さえ自己最高位となる見事な AA-10位入賞を果たした。


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     尚、10周に 渡辺健介が、そして13周には #57- 杉本高規が圧倒的な強豪達を抑え周最速ラップを打ち出した。このサプライズは大絶賛されるもので、渡辺はエンデューロライダーとして育ててくれた本栖に刻む決別の言葉として、杉本は IA出身のエンデューロライダーとしての意地と成長を示す記録として、それぞれが忘れられないものになるであろう。

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     Aクラスは今期昇格を諦めていた感がある チバテツがこの大舞台で見事優勝! 本栖用に躊躇なくトライアルタイヤを選択し、強豪との競合いを制した。小野や物江が咽から手が出るほど欲しい Aクラス優勝を、昇格レース外になった千葉がさらっていったのだからレースは面白い。この勝利は勝負師チバテツの面目躍如であり、昇格狙いにとっては衝撃の優勝であったろう。そして CBクラス優勝はヨッシーの弟子 中田育伺が獲得し、冨山のユウタロウは序盤10分間のピットインを跳ねのけ 3位まで追い上げた。


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     出場ライダーは100m はゆうに超すフィニッシャーズロードに迎えられ、こうして関東エンデューロのメッカとして多くのライダーに愛された本栖はその30年に相応しいドラマチックなレースを持って幕を閉じたが、関係者の話では近い将来の再開も可能性を残しているということだから、大いに期待したい。ただコースが無くなることは今に始まったことではなくバブル期にもあったこと。JNCCでは今後エンデューロの素晴らしさと必要性を社会に訴え、積極的にコース確保を推進していくつもりでいます。マイナスだけでは無くなってしまうから、広く社会に働きかけプラスを積み重ねていけば必ずエンデューロは発展すると思います。尚 本栖の閉鎖を受けても来期確実に開催出来るコースは現在 7つ有り、( 西から 広島- テイジャス・淡路島- キックオフ・愛知- 池の平・冨山- コスモ・長野- 北アルプスSKI場・木更津・菅生 )この中から 1個所絞っての開催となります。期待して下さい。

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     さてエルニドが終わり最終戦 AAGPを残すだけとなったが、今季はランキング争いやAA昇格争いに特に目が離せない展開になっている。プロフェッショナルライダーとして是が非でも日本初の MFJ-MX・JNCC の両チャンピオンを獲得したい #11- 小池田猛(550,000pt)と 2位につける #1- 石井正美(510,000pt)の差は僅かで、リタイヤが無くても 石井が小池田に勝ちさえすれば引っ繰返る。小池田にとっては、日本エンデューロ界を背負ってリスクを承知でGNCCライダーを迎え撃つか? それとも手堅く #1を獲りに行くか? 切実な選択になるだろう。またエルニドで急浮上した #7- 池田智泰(イシゲ)と #4- 澤木千敏 は同ポイントの(290,000pt)で並び、それに #3- 小林雅裕(まちゃ )が(270,000pt)僅差で続き、更には #6- 吉川和広が(230,0000pt)ユウタロウ(224,000pt)ヤスオミ(222,000pt)とつけるので、もし鈴木健二が出場出来なければ、この 6人により #3を賭けた熾烈な争いが行なわれるであろう。そして一方の AA昇格も正にハラハラドキドキで、現在ランキング順は 西森裕一(45,000pt)物江信義(44,000pt)小野真昇(43,000pt)森耕輔(29,600pt)千葉哲也(24,000pt)となるが、一見すると有力な 3位と見える 小野に未だ昇格条件の2位入賞が無いのだ。小野にはスピードがありSUGOは地元という利もあるので充分2位以内入賞の可能性があるが、それでも3位で終えればいくらランキングが1位になろうと2位になろうとも昇格は出来ないことになる。

     例年の事ながらライダーによって様々な AAGP。どんな AAGPにせよ、今季の締めくくりとしてまた世界の走りに触れられる国内唯一の大会として、今年もしっかり開催いたします。

     このレポートを執筆中ちょうどGNCCからメールが入り「 1〜2週間で、GNCCから正式派遣するトップランカーを知らせる!」と言ってきた。後半戦が開始されたばかりだというのに、もう 11/2 のAAGPに向けてのカウントダウンが始まったようです。

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