JNCC 第5戦 強いチャンプ スタート転倒から 初岩手を制す !! 

  • JNCC 全日本クロスカントリー選手権 第5戦 岩手高原スノーパーク
    日時:2022年7月10日(日曜)
    場所:岩手高原スノーパーク
  • Reported by FUN- TAKU OGASAWARA  COMP- SATOMI SUZUKI MASAMI HOSHINO

 半端ないスケール 単純じゃなかったヒルクライム
 


(BS- JNCCフォトギャラリーより)
 

  • JNCC初開催となる岩手県。西はすぐ秋田県に位置する雫石町、盛岡駅から30分程、観光地としても有名な小岩井農場や温泉も数多い岩手高原スノーパーク会場。
  • 前日土曜日は快晴。パドックから見上げると、頂上まで一直線に伸びるゲレンデにライダーの期待が高まる。
  • コース図からもわかるようにほぼ直線の長いヒルクライムで頂上まで上がり、途中短いウッズ区間があるもののひたすら下るレイアウト。下りきった先のゲレンデにヨーロピアンと名付けられたモトクロスコースセクションがプラスされる。
  • 2.6kmも続く斜度20°超えロングヒルクライム、実は大変なクセ者で頂上にたどり着くまでの残り約1kmでがらりと表情を変え最大斜度27°のガレクライムと豹変するのだ。

 
 
 
 
 
 

 初開催ゆえの 読めぬ展開
 


 

  • 午後のCOMPクラスになるとすっかり雨は止み、コースは急激に回復。水はけの良いゲレンデはホコリが立たず、観客にもありがたいレースとなった。
  • 地元東北開催とあって応援も普段より多い #3 熱田孝高( BIVOUAC大阪 with RG3 Racing )、#18 成田 亮( mx-build with abeG )は気合い充分。 熱田は前戦ワイルドボア鈴蘭の優勝に続き多くのファンの前で連勝を決めシリーズポイントを詰めたいところ。

 
 
 
 
 
 
 
 

(BS- JNCCフォトギャラリーより)
 
 
 
 

(BS- JNCCフォトギャラリーより)
 
 
 
 

 
 
 
 

 

  • COMP-AAクラスは大波乱のスタート。 #7 渡辺 学( bLU cRU TwisterRacing )がエンジンかからず最後尾から、直後に #1 馬場大貴( bLUcRU TEAM887withYSP浜松 )が転倒という誰が最初に戻ってくるのか全く読めない展開となった。
  • 1周目トップで戻ってきたのはなんと#7 渡辺 学。 すぐ後に #2 小林雅裕 ( THS Racing )、#18 成田、#3 熱田 と続き、トップでも1周12分という長いコースは 前半 #2 小林、#7 渡辺、#3 熱田、#18 成田が順位を入れ替わりながら戻ってくる予想の読めない展開となった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

(BS- JNCCフォトギャラリーより)
 
 
 
 

(BS- JNCCフォトギャラリーより)
 
 
 
 

 

  • 変化が訪れた4周目、順調にトップグループで走行していた #3 熱田 がなんとエンジンブローで早々に戦線離脱。 トップに立った#7 渡辺 学 も超ロングヒルクライムの全開コースのため何度もピットインしラジエター液を補給。
  • スタート直後の転倒で入賞は厳しいかと思われた #1 馬場大貴 がミス無い走りとピットインの少なさで後半ジワジワとタイムを詰め順位を上げ、2位を走っていた #18 成田 #7 渡辺 を逆転、鈴蘭での雪辱をはらし見事優勝を飾った。
  • また4位5位争いでは #2 小林 と #6 鈴木健二(bLU cRU Blue Riders with YAMALUBE)が中盤から熱いバトルを続け、2stの軽快なサウンドと共に観客を魅了した。

 
 
 
 
 
 
 
 

 

  • COMP-Aクラスでは #08 加藤浩介( カトモ with jon it. )が、AA昇格を引き寄せる 総合10位 に入る大活躍を見せた。

 
 
 
 
 
 
 
 

 マナブ 戦慄の ファイナルアタック!
 


 

  • 初開催で経験値のハンディがなかったことがあるのだろうが、JNCCにて初めてのトップ争いを演じながらラスト3周を残し単独2位を走行中の 成田 亮 選手と 3位 渡辺 学 選手のタイム差は1分30秒、それも 前周1分17秒から1分30秒に広げたのだから地元 成田選手 のファンは誰しも、ホッテストアワードでの 壇上表彰2位を確信したに違いない。
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  • しかしその後はどうであったであろうか? その差は L2周:57秒 L1周:32秒 と30秒づつ詰まり、ファイナルラップ(最終周)の マナブ選手 は鬼神が乗り移った様な凄まじさで1コーナーを前後輪ドリフトで抜けていき、一時前に出ていた ここまで大健闘の前方100mの小林雅裕選手を一気に抜き去ると、まるでタイムアタックをしているかのように頂上へと消えていった!
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  • この目の覚める様な走りに多くの観客は「人が多いボトム付近でのパフォーマンスじゃない?」と思っていたようだが、結果的にその思いは下衆の勘ぐり(ことわざです)になってしまった。
  • 勢いをキープしたままロングヒルクライムを一気に駆け上がったマナブ選手は 下りダウンヒルの中間地点で瞬時に成田選手をパスし、なんと 疲労困憊なはずの最終周で大会最速ラップ 12分00秒 を叩き出しゴールしたのだ!
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  • 思い返せばこのマナブ選手の「 FINALアタック!」は前回開催の ワイルドボア鈴蘭 でも行われ、2位入賞目前の 小方 誠 選手を最終周で3位に追いやり驚愕させていた。 優勝には届かなかったものの、毎戦このような神懸かりなラストスパートを仕掛けられたらライバルはたまったもんじゃなく、どんなにタイム差マージンを稼いでいても気が気じゃないだろう。 マナブの FINALアタック 注意報! 、今後観客はその発令を期待し ラスト1周に固唾を飲むに違いない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 XC覚醒か? トップ争いに絡んだ 成田 亮
 


( *高画質 1080p が’選択できるので、ぜひ大画面でご覧ください! )
 

  • 今開催では 冷静にまるで自身の進化を待つ様に、その時の実力で勝負する 成田 亮 選手に 底知れぬ非凡さを感じました。
  • ダイキ や マナブ が楽勝するんじゃなく、GNCCのようにトップグループの中で少しでも気を抜いたらあっという間に置いていかれるような状況が常に生みだされることが日本オフロードレーシングの底上げになるのであり、熱田選手や成田選手にはそのスピードで、GNCCレベル(世界レベル)に引き上げる 触媒(牽引者)になっていただきたいですね。